情報コンテンツのマーケティング戦略

2006.07 代表 松田久一

本コンテンツは、2006年6月の某取材における松田の発言を編集したものです。

01

戦略が必要になる時期

 会社が大きくなっていくときに、客観的にビジネス環境を捉えて、これから取り組むべき課題を考えなければならない時期があります。企業には成長の壁があります。売上10億、500億、1,000億、3,000億になり、5,000億、1兆、2兆ぐらいでまた壁がある。現在約2,500ほどのコンテンツ市場があり、そこに挑むコンテンツプロバイダ企業は、一説には約6万社あると言われています。WEB2.0的な言い方をするとコンテンツ産業はロングテール型の産業です。日常生活で我々が食べていくために必要な食品産業が約20万社、それに対して6万社です。これからどんどん大きくなっていく産業ですから、市場の成長とともにコンテンツプロバイダ企業も基本的な3C分析などから入って、自社の事業環境を客観的に分析して、マーケティング戦略をたてていくことが必要になります。

 はじめは手探りで何でもいけるのですが、これから伸びていく市場では、戦略が、成長と収益を左右するのだと思います。

02

戦略構築のステップ-3C戦略から4P政策へ

図表1.戦略立案の三つの視点
図表

 3Cとは、自社があって顧客があって競合他社がある(図表1)という構造のことです。大前研一さん的な言い方をすると「戦略的三角関係」ですね。その三角関係の中でお客の好意と購買をいかに獲得できるか、競合他社とお客の好意と購買を巡る企業間競争をやっているというのが、ビジネスの環境です。そのなかで、顧客を分析して、競合他社の強み弱みを分析して、自社の強みを再認識した上で、どのように自社の目的を果たしていくか、を考えていくことが3C戦略ということです。

 特に3Cのなかのカスタマー、お客さまの分析というのがベースとなります。そこからビジネスチャンスや営業のチャンスがあるかどうかを見つけることができます。大きく捉えていきますと、お客さまを属性など様々な切り口で分析していって、コンペティターの強み弱みはどこにあるのかを分析していった上で、どこにチャンスがあるのかをコアコンピタンスを通じて明らかにしていく。自分たちのビジネスの客観的な状況を把握するというのが3C分析です。

図表2.マーケティング戦略の構築フレームワーク
図表

 実際にはお客さまの分析をして、それから競合企業の分析、自社の分析という3C分析をして、その上でSWOT分析を行い、そのなかから基本的な戦略を選択して、4Pの政策として落としていきます(図表2)。ここで、SWOT分析とは、自社の(競合相手と比較した相対的な)強み(Strength)と弱み(Weakness)、を明らかにし、自社を取り巻く環境(顧客、競合他社、政府、経済状況、などの競争要因) に関するビジネス上の機会(Opportunity)と脅威(Threat) を明らかにすることです。「自社」についての分析と「自社を取り巻く環境」の分析というふたつが必要になります。SWOT分析を活用した基本的な戦略として、1)機会を活用し、自社の強みを伸ばす戦略(SO戦略)、2)機会を活用し、自社の弱みを克服する戦略(WO戦略)、3)自社の強みで脅威を回避する戦略(ST戦略)、4)脅威と弱みのはち合わせで最悪の事態を招かないため にはどうするか(WT戦略)などを考えることができます。

 このような分析を大手消費財メーカーはどこの企業もやっています。シャンプー・リンス市場の日本リーバについて、公開されているデータで分析してみると付表のようになります。

付表.分析事例 - シャンプー・リンス市場におけるL社のマーケティング戦略
図表

[2006.07 MNEXT]