ロングヒットの条件

1992.03 代表 松田久一

 新製品・新ブランドと既存製品・既存ブランドとどちらが収益性が高いか。言うまでもなく、後者である。開発費、宣伝広告費、製造コスト、営業教育のどれをとっても、既存製品・既存ブランドに有利に働く。どのコストも習熟効果が生まれるからである。

 毎年、新製品と新ブランドと新規事業で暮らしている企業は、いつも無から出直すことになる。事業が成長していくためには、既存製品・既存ブランド・既存事業の売上を落とさずに、新製品・新ブランド・新規事業の比重を上げていくことが必要になる。

 ロングヒットを出さねばならない。

 常に顧客にとって新鮮なブランドを出さねばならない。

 条件は三つしかない。

 ひとつは、セグメントした顧客のニーズを探索しつづけること。ターゲットにした顧客が何を望み、何を期待しているか、を探索しつづけることである。ふたつは、そのニーズをシーズや提供システムに結びつけてニーズにミートしつづけることである。もうひとつは、マーケティングミックスに一貫性をもたせることである。ターゲットはターゲット、広告は広告、営業は営業、売り場は売り場、製造は製造、物流は物流、それぞれの機能がバラバラでは何の力にもならない。一貫性とはみんなが同じ方向を向いているということである。

 ロングヒットを出している企業のマーケティングから学んだことである。もうひとつ学んだことがある。ロングヒットを出していない企業から学んだ点は、これらの企業には、これら三つのことを実行できる組織と風土がないということだ。それ以前の問題として、戦略に繋がっているセグメント、顧客理解がないということだった。

 三つの条件をどう進めることができるか、その前提としてロングヒットに耐える長期セグメントをどう構築するか、素直に考えてみたい。