貯蓄と格闘する商品開発

1997.01 代表 松田久一

 もっともゼイタクな消費は何か。それは貯蓄である、とサムエルソンの経済学は教えている。96年度の消費も年率1%以下の貯蓄に勝つことができなかった。

 勤労者世帯の可処分所得は約48万円、平均消費性向は約73%。平均貯蓄率は約18%という構造は変わらない。個人貯蓄は約996兆円に上り日本のGDPの約2倍になる。小学生の小遣いは減少しているのに、平均的な貯蓄は10万~20万円と増えているという報告もある。現在の浪費よりも将来へ蓄える傾向を変えることはできなかった。相次いだ「低価格敗北宣言」に代わって、貯蓄との競争で、新しい価値の提案、新しいプロダクトイノベーションが注目された。

 話題に上り、販売数量などの実績も認められるヒット商品のなかから、いくつかの傾向を分析してみる。

[1997.01 「マーケティングホライズン1997年1月号」 日本マーケティング協会]