デジタル化が進む家族

1995.07 代表 松田久一

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アジアの共通価値

 21世紀をリードするのはアジアである。なかでも、圧倒的な人口を有する中国である、という広範な認識が広がっている。こうした認識が新しい消費トレンドを生むことは言うまでもない。今年度、5月の連休は史上最大の海外旅行ブームとなった。その渡航先の大半はアジアである。ある調査では、21世紀は中国がリードすると考えている人々の比率は、日本では60%を越えているのに対し、アメリカでは20%程度のようである。この40%という数値の落差は、日米経済摩擦を比較的冷静に受けとめる感覚の根拠にあるのかも知れない。アメリカよりもアジアや中国の方が大事だ、という感覚である。

 全世界が「脱欧入亜」を目指している。成長地域にシフトしようとしている。かつて、岡倉天心は、「アジアはひとつ」と主張した。現在では、「アジアは多様だ」という認識に到達している。特に、東南アジアでは人種、人口、歴史、宗教、どの指標をとっても多様性を示すものばかりだ。そうであるならば、そうであるだけ、アジアの定義は難しくなる。日本の生活トレンドが向かうアジアとは一体何か。アジアの共通価値とは何なのか。ひとつの可能性は家族観である。日本の家族に焦点を当ててアジアトレンドをみてみることにしよう。