仕事を生活に変える「シンボリックワーカー」

1992.12 代表 松田久一

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変わる「仕事」

 人口が減り、労働時間が短縮され、職種が変わり、新たな労働倫理が生まれることによって仕事生活は、どのように変わるのか。ひとつの仮説は、仕事に非合理的な気概を求め社会をリードする、24時間戦うシンボリックワーカー達の姿である。

 生活のゆとり、時間のゆとりが求められる一方で、産業の高度化と生活の豊かさが生み出す新しいモーレツ主義である。

 家庭生活に仕事が入り込み、市民生活にも仕事が入り込む。仕事が趣味になっていく区分けのない生活をもった人達である。時間と空間を選ばない仕事のスタイルに新しい需要が生まれる。既存の製品が変わっていく。

 かつて、電卓は会社が買うものだった。今は、誰もが自分の好みの電卓をもっている。今、電話は会社のものである。携帯電話が進化すれば、家の電話を持ち歩くことになる。この時、電話は料金の問題さえクリアーできれば、電卓と同じ現象が生まれる。パソコンは、会社のシステムとの連動が進んだために98王国は崩壊した。

 携帯電話、携帯ワープロ、携帯FAX、カーナビゲーションシステム、CS(コミュニケーションサテライト)のターゲットはこれらのシンボリックワーカ一に向けられてい る。そして、これらの市場が大きく成長している。通信のデジタル化はさらにこの動きに拍車をかけている。あらゆる時空に対応する商品とサービスが生まれている。そして、その回りには、いつも健康サービスがついてくる。健康ドリン ク、栄養ドリンク、ビタミン剤。ゆとりの価値観が支配する現在、もうひとつの世界が生まれている。