消費多様化の終焉

1991.11 代表 松田久一

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概要

 ブランド戦略の今後の方向を探るために、生活者者調査を実施した。ここでは、その結果をまとめてみる。

 調査の概要は、以下のとおりである。

 この調査の背景は、90年代に入り、企業のマーケティング戦略が大きく転換し、新たな企業戦略、マーケティング戦略の実験と模索が始まっている事にある。

 80年代は、「市場の多様化」というキーワードに示されるように、生活着の価値観やライフスタイルの多様化という見方を基軸にして、多種少量生産、多頻度小口配送の戦略が多くの企業で採用された。それを可能にしたのは、情報技術革新であった。

 しかし、90年代に入り、こうした戦略の見直し、反省がつぎつぎ生まれている。特に、新製品導入の数とスピードの見直し、品揃えの幅の絞り込み、多品種型ビジュアルマーチャンダイジングの見直し、過度の小口化の反省が見られる。

 一方、こうした戦略の見直し、転換の背景となる生活着の側では、行き過ぎたエゴイズムの見直し、世界との距離が極端に近くなったという意識、地球環境保護のための新しいライフスタイルの模索、解体されていく家族の見直し、あまりにも大きく急速な変化への不安が生まれている。

 こうした企業と生活者の同時変化の中で、90年代の新しい戦略を研究する事を基本目的としたものである。この調査は、この研究プロジェクトのミニ研究として急遽実施した。

 そのために次の四つの調査課題を設定した。焦点はブランドにある。

  1. 商品選択の多様化はどのようにとらえられるか
  2. 何が、新しい選択基準となっているか
  3. ブランドロイヤリティとストアリヤリティの関連はどのように捉えられるか
  4. 個別商品の事例ではどう検証できるか

 この調査課題をもっとも効率的に達成するために、「消費の多様化」が現象が顕著に確認できるヤング層を調査対象に設定した。

 商品事例となったのは次の五つの商品品種である。

  • ソフトドリンク
  • ビール
  • レトルトカレー
  • スキンケア

 調査の概要は以下のとおりである。

  • 調査手法    電話調査
  • 調査対象    首都圏30km 15~24才 男女個人
  • サンプル数   100S
  • サンプリング  割当て法
  • 調査期間    1991年9月
  • 調査機関    JMR生活総合研究所