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(2003.07)
2003年上半期、印象に残ったもの 
-「イラク戦争」「ベッカム」「世界に一つだけの花」「カメラ付き携帯」、そして...「阪神タイガース」!
 詳細データ(単純集計表・クロス集計表)(LZH形式・有料会員サービス)
 2003年も半年が過ぎましたが、戦争など不安定な国際情勢や世界的なデフレトレンドによる経済の閉塞感などで社会が重苦しい空気に包まれているように思えます。
 そんなこの半年で人々にインパクトを残したものを「トピックス」「有名人」「歌」「商品」について、インターネットモニターを対象に実施したインターネット調査における自由記述の回答を集計し、ランキング形式でお届けします。

印象に残ったトピックス

 印象に残ったイベントや事件では、「イラク戦争」が21%で他を引き離しトップであった。
 性別年代別でみると、性別では男性、とりわけ50代で高くなっている。世界的な出来事にも関わらず、日本では若年層にはさほど高い関心を持たれなかったと言える。
 続いては「SARS」(重症急性呼吸器症候群)が8%で2位であった。アジアで発病している死をもたらす新型肺炎、と恐れられ、アジア方面へのツアーをキャンセルする人が続出。急成長するアジア市場において大打撃をもたらした。
 他にも昨年から引き続き「北朝鮮問題」や「福岡一家殺害事件(6月)」など暗い話題が上位に入っている。
 明るい話題としては、3位にあげられた「阪神タイガース」。7月時点で早々とマジックが点灯。18年ぶりの優勝に向けて独走体勢に入っている。関西の景気は上向き、これほど経済効果をもたらすものは他にないのではないかと思わせる。

印象に残った有名人

 このランキングで上位を争った二人はどちらも国際的なスポーツ選手であった。
 ここでは世界の「ベッカム」が13%で1位となった。6月の来日時の熱狂ぶりは記憶に新しいところだろう(ベッカムについては、「ネット評判記No.60 ベッカム大好き!」にて)。
 惜しくも12%で2位となったのは、元読売巨人軍、今はニューヨークヤンキースのメジャーリーガー、松井秀喜である。1年目にして既にメジャーリーグのオールスターゲームにも出場し、先輩イチローにひけをとらない存在となっている。この二人について支持層を見てみると、ベッカムは女性、松井は男性と異なっていることが分かる。
 4位にはロシアの女性デュオ「t.A.T.u.(タトゥー)」が入っている。彼女たちも来日時に戦略的(?)な騒動を起こし、話題を提供してくれた。
 また、ベストテン内に5位「はなわ」、6位「テツandトモ」、9位「ダンディ坂野」と3人のお笑いタレントが入っていることが興味深い。暗い話題が多い日常で、人々が「明るさ」「楽しさ」を求めている表れともとれるのではないか。

印象に残った歌

 このランキングでは、「自分を励ましてくれる歌」「明るくなれる歌」として支持されたものがこのランキングの上位に入ったと言える。
 その代表とも言える歌が、1位となったSMAPの「世界に一つだけの花」である。ランキングでは16%と2割にも満たないが、CDセールスは200万枚を超え、SMAPの楽曲の中でも最高のヒット曲となった。この曲は当初は2002年に発売されたオリジナルアルバムの収録曲であったが、今春に放映されたドラマの主題歌に使用されたことで、一般的に知られる歌となった。「もともと特別なオンリーワン」という歌詞にあるように、人間一人一人の存在価値は同じであるというメッセージが、人々の心を癒し、励ましたのではないだろうか。また、6位の「地上の星」は"おじさんの応援歌"と言われ、ロングセラーとなっている。
 2位の森山直太朗の「さくら(独唱)」もじわじわと売れ続け、発売9週目にしてオリコンシングルチャートで1位を獲得した曲である。いわゆる今どきの曲ではなく、シンプルに歌詞を歌い上げるところが、特に女性の40代以上の層から高い指示を得たのではないだろうか。
 また、3位にはなわ「佐賀県」、4位にテツandトモ「なんでだろう」とお笑いタレントの歌が上位に入っているのも興味深いところである。

話題になった商品

 先日、日経流通新聞で2003年上半期ヒット商品番付が発表されたが、上半期のヒット商品の特徴は「手堅くプチヒット」(日本経済新聞社)だという。実際に大ヒットと言われる商品はなく、番付でも東の横綱は該当なしであった。今回のランキングでもそれははっきりと表れている。
 1位は2002年のランキングと同じく「カメラ付携帯電話」で12%。今回行った四つのランキングの中のトップとしては一番低い割合になっている。
 2位は5%で「ヌーブラ」。これは特殊シリコンで作られたバストにぴったり張り付くブラジャーである。肩ひもがないことでくりの大きな服や、肩や背中を出すような今どきの服を着こなせることなどから女性20代からの強い支持を得て2位に入っていると思われる。
 その他では、3位「DVD」、6位「505シリーズ」、9位「HDD/コクーン」と情報家電関連商品が入っている。「DVD」は特に男性50代からの支持が高くなっており、2002年のランキングよりポイントを上げている。価格が下げられたことで、現実的な購入対象として関心を持たれる商品になったと言えるのではないか。
 4位にはアミノ系(飲料など)が入っている。「アミノ式」のCMがインパクトを与えたことも要因のひとつではあろうが、人々が健康志向により機能性飲料(食品)を求めるようになったことが表れている。

 以上、今回のランキングを総括し、2003年下期を予見をする時、四つのランキング全てに関連キーワードが入っている「阪神タイガース」をはずして語ることはできない。このまま秋(夏か!?)にはリーグ優勝、そして日本シリーズと大きな盛り上がりが期待されている。これに乗じ、景気の上昇を期待するのは阪神ファンや関西人だけではないだろう。とにかく景気のいい話題が少ない現在の日本。この閉塞感を打ち破る希望の光は、阪神タイガースの活躍にかかっていると言っても過言ではないかも知れない。
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【調査設計】
調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:2003年7月3日~4日
調査対象者:当社インターネットモニター 20~59歳
        全国の男女個人
有効回収サンプル数:876サンプル
サンプル構成(%)
男女別年代比率(%)

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