半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

(2013.08)
ネクスト戦略ワークショップ「消費拡大層を取り込むミドルシフトのマーケティング」成功事例4.
はきやすい靴で中高年に支持される
アシックスウォーキング
ビジネスディベロップメントマネジャー 大澤 博一

本コンテンツは、2013年6月13日に行われた当社イベント、第3回ネクスト戦略ワークショップ「消費拡大層を取り込むミドルシフトのマーケティング」のプログラム「マーケティング成功事例分析」講演録と、同日使用したプレゼンテーションをもとに構成したものです。

 ミドルシフトのマーケティングによって成功した事例の四つめは、最近いろいろな所で注目されているアシックスです。弊社のすぐ近くに皇居がありますが、今、ランナーの聖地といわれています。そこですごく流行っているのが、ランニングです。そのブームにうまく乗って成功しているのが、アシックスです。2週間ぐらい前に『カンブリア宮殿』(テレビ東京系・毎週木曜日よる10時)で特集されていました(2013年5月30日放送)。まさに今急成長している企業です。

 アシックスの背景についてご案内します。2001年の売上は1,289億円でした。それが、2012年2,600億円です。この11年で2倍にまで拡大しています。この間、おそらくこんなに成長した企業はあまりないでしょう。なぜそうなったのか。ひとつは、ランニングシューズです。国内だけの売上でいうと、ちょうど遡ってデータを確認できた2004年時点では、国内のランニングシューズ売上は300億円です。それが2012年には529億円ということで、200億円ぐらい一気に拡大しています。本当に急成長した会社です。

図表1.シューズの再強化でV字回復


 余談ですが、アシックスの海外売上比率は70パーセントです。国内よりも海外で売れています。アンケート結果でみていくと、アメリカ人や外国人は、アシックスはアメリカの会社だと思っている人が多いらしいです。
 では、なぜ急成長したかというと、最初は、もともとアシックスは靴をベースにしている会社でしたが、途中から総合スポーツ企業を目指していこうということで、野球のグローブなど、いろいろなことをやっていました。コンセプトとしては、「スポーツ、健康、快適ライフを創造する」ということで、そこで世界ナンバーワン企業になっていくということです。ですので、競合相手は、ナイキやアディダスを競合相手だというふうに位置づけました。そうしてコアであったシューズというところから、総合化していこうということで、「脱シューズ」を進めてきました。しかも、スポーツウエアなどアパレルも強化していったのが、2009年ごろまでです。
 こうして総合化によって売上を伸ばしていたアシックスですが、実はこの2009年に大きな転機がありました。売上が初めて減少しました。その時には既に、現在の尾山基(おやま・もとい)社長が2008年に就任しているのですが、そこで方向転換します。もう一回自分たちの強みである、シューズを再強化していこうということで、すべての資源を集中させていきます。
 本コンテンツの全文は、メンバーシップサービスでのご提供となっております。
 以降の閲覧にはメンバーシップサービス会員(有料)ご登録が必要です。

メンバーシップサービス会員のご案内についてはこちらをご覧ください。
メンバーシップサービス会員の方は、下記をクリックして全文をご利用ください。



新着記事

2024.03.21

24年1月の「旅行業者取扱高」は19年比で69%に

2024.03.21

24年1月の「商業動態統計調査」は35ヶ月連続のプラスに

2024.03.19

24年2月の「景気の現状判断」は12ヶ月連続で50ポイント超えに

2024.03.19

24年2月の「景気の先行き判断」は4ヶ月連続で50ポイント超えに

2024.03.18

成長市場を探せ 3年連続で過去最高更新、拡大する麦茶飲料(2024年)

2024.03.15

企業活動分析 スギHDの23年2月期は増収減益。26年度売上1兆円へ向けた挑戦が続く

2024.03.14

24年1月の「消費支出」は11ヶ月連続のマイナス

2024.03.14

24年1月の「家計収入」は16ヶ月連続のマイナス

2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

2024.03.12

企業活動分析 マツキヨココカラカンパニーの23年3月期はPB商品拡販やインバウンド需要増加で増収増益

2024.03.11

23年12月の「現金給与総額」は24ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

週間アクセスランキング

1位 2024.02.15

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 男性子育て層の約5割が利用 バンドワゴン効果で拡大する新NISA

2位 2023.12.27

2024年の日本を読み解く―24の視点

3位 2024.02.22

消費者調査データ No.402 RTD(2024年2月版) 「ほろよい」「氷結」「贅沢搾り」 熾烈なトップ争い

4位 2016.03.16

【マーケティングFAQ】どうすればブランド力を強化できるか

5位 2021.10.14

都心主要ラグジュアリーホテルのリバイバル戦略と行動直結プロモーション―産業衰退死段階の生き残り戦略【1】

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area