半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

季刊 消費経済レビュー
I.Macroeconomic Outlook for Japan

 これまで景気の牽引役を担ってきた輸出と設備投資の成長率は大幅に縮小、日本の景気は鈍化傾向を鮮明にしつつある。世間では、景気の失速懸念も一部でささやかれ始めている。
 確かに、輸出も設備投資もこれまでのような高成長は望めないにしても、このまま失速して経済成長にマイナス寄与するような状態に至るとは、足許の動きを見る限り想定しがたい。
 さらに、最近議論されているような、電子部品・デバイス工業に象徴される在庫調整・生産調整の動きが産業全体に前面化して景気後退の引き金を引くという懸念も、足許の在庫循環の状況を見る限りまだ早計であろう。
 しかしながら、シンクタンク各社の想定シナリオは、四半期GDP速報の結果を追認する形で5月下旬時点の楽観スタンスから悲観スタンスへとシフト、2005年日本経済の見通しにおいても、悲観スタンスがマジョリティを占めるに至っている。
 弊社独自調査によれば、消費者の景気認識スタンスとしては現状悲観・先行き悲観のスタンスを強めつつある。しかしながら、支出意向を見る限り、景気認識ほどには、減少意向の方に触れてはいない。特に、選択的支出については、増加意向と減少意向が拮抗している。選択的支出の健闘ぶりは、デジタル新三種の神器をはじめとする幾つかの高額耐久消費財・サービスでの需要の先行き堅調期待などからも窺い知れる。消費の基調はまだ崩れてはいないといえよう。
 以上の議論を踏まえると、2005年の日本経済は、在庫調整が限定的かつ軽微で済み、かつ堅調な個人消費と(2004年度並みの高成長ではないものの)基調としてはプラス成長を保つ設備投資の下支えによって、景気は安定推移していくという「巡航速度持続回復シナリオ」が、最も有力なシナリオであると弊社は考える。その他の代替的シナリオとしては、より強気な判断に基づく「新成長経済到来シナリオ」と、幾分弱気な判断に基づく「景気スローダウンシナリオ」を次善の有力なシナリオとして挙げておく。
(2005.01)


季刊 消費経済レビューの本文は、プレミアム会員をご利用ください。
季刊 消費経済レビューは、プレミアム会員限定コンテンツとなっています。
プレミアム会員は、当社メンバーシップサービスの全てのコンテンツに加えて、
「情報家電産業のリバイバル戦略 -エンド価値志向の多層化戦略-」ほか、
当社のオリジナル研究レポートのご利用が可能なプレミアムサービスです。
この機会に是非プレミアム会員へのご入会をご検討ください。

お知らせ

2024.03.25

当社合田執筆の「猛スピードのクルマはいらない」 これからの高齢化社会に必要な“まちづくり”とは何か? そのヒントは欧米になかった!」がメルクマールに掲載されました。

新着記事

2024.04.12

成長市場を探せ ビスケット市場、4年連続プラスで初の4,000億超えに(2024年)

2024.04.11

24年1月の「現金給与総額」は25ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.04.10

マーケティング用語集 イールドカーブ

2024.04.09

24年2月は「完全失業率」、「有効求人倍率」とも悪化

2024.04.08

企業活動分析 任天堂の23年3月期は主にハードウエアの売上減が響き減収減益

2024.04.05

消費者調査データ ノンアルコール飲料(2024年4月版) 首位は「ドライゼロ」、追う「オールフリー」「のんある気分」

2024.04.04

企業活動分析 NTTの23年3月期はITサービス拡大で増収増益、過去最高更新

2024.04.03

24年3月の「乗用車販売台数」は3ヶ月連続の2桁マイナス

2024.04.02

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 20代男性の内食志向にマッチして伸びる冷凍餃子

2024.04.01

24年2月の「新設住宅着工戸数」は9ヶ月連続マイナスに

2024.03.29

企業活動分析 KDDIの23年3月期は法人向け好調等で増収、過去最高益更新

週間アクセスランキング

1位 2024.04.02

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 20代男性の内食志向にマッチして伸びる冷凍餃子

2位 2023.04.05

日本人の7割はチーズ好き ぜいたくニーズに支えられ伸長

3位 2016.03.16

【マーケティングFAQ】どうすればブランド力を強化できるか

4位 2024.03.28

月例消費レポート 2024年3月号 消費は足踏み状態が長期化している-インフレ見通しや消費マインド改善などによる消費回復の後押しに期待

5位 2024.04.03

24年3月の「乗用車販売台数」は3ヶ月連続の2桁マイナス

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area