1.家電量販店の再編進む。ヤマダがキムラヤ買収、ビックとベストが資本・業務提携 |
家電量販店の再編が一気に進む気配を見せている。20日、ビックカメラとベスト電器の資本・業務提携が発表された。ビックカメラはヤマダ電機の東京都心部進出のターゲットとされており、ベスト電器もヤマダ電機に6%超の株式を保有されるなど、共にヤマダ電機の拡大戦略の脅威にさらされている。
家電量販店5位のビックカメラと7位のベスト電器の資本・業務提携の狙いが業界最大手のヤマダ電機への対抗であることは明白である。連結売上高3兆円達成(06年度1兆4,437億円)を明言するヤマダ電機は地盤となる郊外の既存店拡張に加え、7月には池袋駅前に進出するなど、都市部で大型店「LABI」の多店舗化を推し進めている。ビックカメラとベスト電器はこのヤマダ電機の拡大戦略に飲み込まれる脅威にさらされている。
ヤマダ電機はベスト電器株の5%超を大量保有していることが明らかになったのは8月21日で、その後も買い増しによって、9月22日現在6.47%まで保有率を高めている。ベスト電器は2002年2月にデオデオと資本提携し、エディオングループ入りを一度は表明したものの、その後離脱し独立路線で展開してきた。またビックカメラも07年2月にエディオンとの経営統合を決めたが、撤回した経緯がある。家電量販店再編の潮流の中で同じような立場にある2社の利害が一致したことが今回の提携につながった。
しかしベスト電器との提携を諦めていないヤマダ電機は、この発表を「ベスト電器が独立路線から転換した」と解釈し、逆にチャンスと捉えて保有比率を最大20%程度まで買い増す可能性を明らかにしている。この状況をさらに複雑にしているのは経営統合を撤回したビックカメラとエディオンも互いに3%ずつの株式を保有していることである。最も再編に積極的とされる業界2位のエディオンがこれを機に、ヤマダ電機との対抗軸づくりに乗り出す可能性もある。
ヤマダ電機は25日、東京都心で家電やブランド品、化粧品・薬品などを取り扱うディスカウントストア「キムラヤセレクト」を買収すると正式発表した。キムラヤは売上高は294億円と規模は小さいが、新橋本店など東京都内を中心に16店舗を展開しているため、首都圏での駅前進出を加速させるきっかけにもなる。9月6日にはビックカメラが出資するソフマップ秋葉原本館がオープンし、2年前に出店したヨドバシカメラと激突する。7兆円市場と言われる家電製品市場を巡る家電量販店の再編から今後も目が離せない。
(参考:ベスト電器のHPサイト 2007年9月20日インフォメーションなどより)
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2.シャープがパイオニアの筆頭株主に。家電業界の再編に進むか |
シャープとパイオニアは20日、資本・業務提携すると発表した。シャープはパイオニアの14%超の株式を保有する筆頭株主となる。業績不振のパイオニアが好調が続くシャープの支援を得て、再建に挑む。7月には日本ビクターとケンウッドが経営統合を発表するなど、家電業界も再編の波が起きている。
パイオニアは12月20日にシャープを引受先とする新株3,000万株(415億5,000万円)の第三者割当増資を実施、増資完了後シャープはパイオニア発行済み株式の14.28%を保有する筆頭株主となる。またシャープも発行済み株式の0.9%にあたる普通株式1,000万株をパイオニアに197億5,000万円で売却し、相互に株式を保有し合う形をとる。
両社は次世代DVD、ホームネットワーク関連、カーエレクトロニクス、ディスプレイなど4分野でそれぞれの得意技術を持ち寄って共同開発に取り組む。明暗を分けるディスプレイ事業では、パイオニアがシャープ製パネルで液晶テレビ市場に参入する方針を示したが、シャープはプラズマテレビ市場参入には否定的な見解を示したため、パイオニアは独力でプラズマ事業の立て直しを図ることになる。また次世代薄型ディスプレイの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)では協業していく。
液晶などが好調なシャープであるが、家電業界では6位の規模に過ぎない。現在、「液晶のシャープ」の地位を揺るぎないものとするために、大阪府堺市に3,800億円を投じて第10世代の新工場建設を進めている。「21世紀型コンビナート」と呼ばれる新工場は2010年稼働を目指しているが、パイオニアはパネルの供給先として工場の稼働率アップに貢献する。また、パイオニアの光ディスクやオーディオ、カーナビの技術との融合で新たな事業の創出を目指す。
最近の家電業界では、日本ビクターとケンウッドの経営統合や京セラによる三洋電機の携帯電話端末事業の買収など、業界再編の機運が高まっている。現在のところ両社は独立した経営を表明しており、買い増しや経営統合の可能性は否定している。しかし、多種多様なプレーヤーによる慢性的な価格競争により、大手を含め低収益性からの脱却が課題となっている。上位グループには大きな動きはないが、中堅以下による再編が進めば、今後は互いの得意領域が生きる協業から規模の拡大を目指した再編へと進む可能性も高い。一連の再編は、業界内でのベストマッチングを求めた動きが水面下で始まっていることを示している。
(参考:シャープとパイオニアのプレスリリース 9月20日などより)
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