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ワイヤーを捨てよう
WiFiが実現する、いつでもどこでもネットワークでつながる世界
リチャード・メイ

 「コンピューティングは、コンピュータの世界だけの特別な話ではなく、我々の日常生活にとって欠かせない存在になった・・・」米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの創設者であるニコラス・ネグロポンテが、現在では古典となっているその著書「ビーイング・デジタル-ビットの時代」(日経BP企画2001)(Knopf. 1995) の中でこう述べてから10年が経つ。

 無線デバイスを搭載したノートPCやPDAが安価で提供されるとともに、WiFiのホットスポットが普及したおかげで、もはや、ビジネスマンが外出先でインターネットに常時接続することは単なる空想家の夢ではなくなっている。 “WiFi”とは、ワイヤレス・フィデリティー、無線の信頼性を意味する言葉の略で、現在はIEEE(アイ・トリプルイー)標準の802.11をベースとする無線LAN(WLAN)のことをさしている。

タイプ 意味 特徴
WLAN 無線LANサービス 無線通信でデータの送受信を行う。LANケーブル不要
IEEE 802 IEEE (米国電気電子学会)で規定された無線LANの標準規格 2.4GH2周波数帯域を使用する
WiFi ワイヤレス・フィデリティー、無線の信頼性を意味する言葉。802.11規格群を推進するため、業界団体であるWECA(WiFi Alliance, Nokia社、3Com社など大手企業が参加)が命名したブランド名 DS(直接拡散)方式、FH(周波数ポッピング)方式、赤外線方式の3つについて規定されている802.11ではチャンネルビットレート:2Mbps
802.11a 「IEEE802.11a」 54 Mbps 5.2GH2帯を使用したIEEE802.11の拡張仕様。54Mbps
802.11b 「IEEE802.11b」 11 Mbps 2.4GH2帯で11Mbpsを実現
802.11g 「IEEE802.11g」 54 Mbps 2.4GH2帯で54Mbps 802.11bと互換性がある
WiMax worldwide interoperability for microwave access: 世界中互換性のマイクロ波アクセス IEEE802.16規格を改良した規格。2〜11GH2帯域使用できる。見通しのきかない範囲にある端末と通信可
資料出所:JMR生活総合研究所

 WiFiはモバイルデバイス間の接続だけでなく、小規模な放送局間の接続やそこからのインターネット接続を可能にするもので、通常は2.4-5.0Ghzの帯域が使われる。サービス開始当初は11Mbsが使われていたが、最近ではより高速な54Mbpsの802.11g標準が多く使用されるようになった。ホットスポットの増加により、街での移動時や、より広い範囲でのネットへの接続がより容易になっている。ホットスポットとは、外出先でネットに接続ができるように通信電波が発信される店舗の中や、市街区全体をカバーしているようなエリアの事である。

 マイクロソフト社の無線設計者アメール・ハッサン博士は、東京で行われた最近のWiFi PLANet会議で「顧客の無線体験は増加しているが、問題がある。ビル全体や街の一部でのシームレスなWiFi接続 である」と述べている。米国では、WiFiの技術は公共の場での高速接続を可能にしている。たとえば、スターバックスや、フェデックスキンコーズ、書籍&音楽チェーンのボーダーズ、主要航空会社の空港ラウンジや多くのホテルなどだ。日本では、スターバックスとその競合であるドトールやルノアールなどが店内で同様の装置を配備している。2004年度の政府の統計によれば、東京には7,000以上ものホットスポットが存在している。

 ガートナーの日本法人であるガートナージャパン社の電話・無線通信の主席アナリストである石渡昭好氏は「2004年末には、日本におけるWiFiサービスの利用者は、9万2,000人にものぼり、今後まだまだ増加すると考えられる」と話している。

 全世界では、無線LANサービスの収益は2007年までに100-150億ドルに達すると推計されており、公衆無線LAN設備の実に80%がカフェ、バーやレストラントに設置されると見込まれている。しかしながら、収入の大半は空港、ホテル、会議場などのビジネスユーザーから得る事になるだろう。

リチャード・メイ:JMR生活総合研究所に所属。テンプル大学マーケティングの非常勤講師

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(2005.09)
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