VII.日本とは何か

ベンチマーク方式によるビジネスライティング

2008.07 代表 松田久一

本稿は、弊社社員向けの研修プログラムでの松田の講義を要約したものです(文責:吉田)。

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ベンチマークによるビジネスライティング

 読者の方々、特にビジネスの現場で有益だと喜んで貰えるコンテンツが書けるようになるにはどうすればよいか、について少々考えたことをお話します。これは私の拙い経験をもとにするしかありませんし、現在進行形の私の悩みでもあることは言うまでもありません。題して、「ベンチマーク方式によるビジネスライティング」です。20項目を5段階評価尺度で評価し、自分の書くコンテンツが60点以上とれるようになるという方法です。

 最初に、ベンチマークのための20項目からなるチェックシートを提案します。1項目が5点満点、計100点になるものです。これで評価をし、60点以上取れたらまずは合格点です。論文作成を勉強するにあたり、初めから60点以上を取ることができる人は、2割にも満たないと思います。最初は誰もがうまく書けるわけではありません。私自身、論文を書くにあたって非常に苦しんだ経験があります。「どうやったら書けるのか」といった段階から、「どうしたらうまく書けるのか」というところまで、とても長く悩んできました。

 うまいコンテンツをどう書くかは常に悩むことです。昔は、文書修行として好きな作家などの文章を書き写したり、または有名な作家の文章作法から学んだりしていました。文章というよりコンテンツと言った方がしっくりくる時代には、最初に、具体的な目標を設定してそれを満たすように書く方がいいと思います。その目標を整理したのがチェックシートです。チェックシート上の20の項目はこれから説明します。この20項目はコンテンツを書く具体的な目標であり結果です。

 ひとつひとつの項目について、どのような意味なのか、実際に自分の文章を評価して、どうすれば弱かった部分を克服できるのかを理解していただきたいと思います。書くと言うことは自分の思いを伝えるということで主観的なことです。しかし、その思いがどう読者に受け入れられるかは客観的なものです。客観的に自分の論文評価ができるのも、論文作成能力を上げていくのには重要なことです。

 なお、400字詰め原稿用紙10枚の論文であれば、およそ7~8分で読み、2~3分で評価をするスピードが望ましいでしょう。ここでは、良質なコンテンツライターの育成と、論証能力や理論を使った文章能力のスキルアップを狙いとしています。そのスキルアップの手法として、「ベンチマーク方式によるビジネスライティング」をお話したいと思います。

論文評価のチェックポイント20
図表

[2008.07 MNEXT]

【参考文献一覧】

  • 岩崎美紀子(2008)「「知」の方法論 -論文トレーニング」岩波書店
  • 清水幾太郎(1959)「論文の書き方」岩波書店
  • C.M.Anson, R.A.Schwegler(2003)「The Longman Handbook For Writers and Readers」
      Longman
  • 戸田山和久(2002)「論文の教室 -レポートから卒論まで」日本放送出版協会
  • 鮎川信夫(1958)「現代詩作法」荒地出版社
  • 澤田昭夫(1977)「論文の書き方」講談社
  • 木下是雄(1981)「理科系の作文技術」中央公論社
  • 木下是雄(1990)「レポートの組み立て方」筑摩書房
  • W.Strunk Jr. , E.B.White 「The Elements of Style」Longman
  • 夏目漱石(1961)「我輩は猫である」新潮社
  • 夏目漱石(1950)「草枕」新潮社
  • 太宰治(1952)「人間失格」新潮社
  • 司馬遼太郎(1978)「坂の上の雲」文藝春秋
  • 三島由紀夫(1977)「暁の寺:豊饒の海 第三巻」新潮社