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III.経済・情報産業組織について
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3.時代の流れを読む
NEXT VISION 2006 NEXT STRATEGY 2006
デジタルコンバージェンス時代の
新しい競争優位づくり−プラットフォーム戦略
代表 松田久一
本コンテンツは、2005年11月30日に行われた当社イベント「NEXT VISION 2006」の講演録と、同日使用したプレゼンテーションをもとに構成したものです。
構成

はじめに
1.産業融合の時代
以下はメンバーシップサービスをご利用ください。
2.産業融合の時代の新しい勝ち方
3.新しい競争優位の鍵−プラットフォーム戦略
4.携帯端末をめぐるデジタルコンバージェンスの行方
5.プラットフォーム戦略による競争優位づくりのポイント


はじめに

 お話は大きく五つに分けて、進めさせていただこうと思います。デジタルコンバージェンスというのは、情報家電とかデジタル家電、通信、放送を中心とした業界でよく使われる言葉ですが、一般的な消費財メーカーで考えていきますと、恐らく、産業融合の時代になっているということを、ご案内させていただこうというのが、一番最初のお話です。
 二番目に、その産業が融合されていく時代、例えば、化粧品ですともう当たり前のことですけれども、薬品とか、あるいは、トイレタリー商品とは、殆ど一体となっております。そういう形で、産業の融合が起こってくるということです。その産業の融合の時代に、これまでとは違う勝ち方が必要なんだということです。それが競争優位作りということですが、それを二番目にお話してみようと思っております。
 それから三番目に、その事例としまして、これは私どものオリジナルの調査で、「消費社会白書」の中に入れていくつもりですが、ご存知の通り、今急速に、auがDoCoMoを追い上げております。これは、プラットフォーム戦略というものが、大きく寄与したせいだと考えています。そこで、何故auが追い上げているのか、NTT DoCoMoが追い上げられてるのかということを、この融合の時代のキーとなります、プラットフォーム戦略の事例として、お話していきたいと思っております。
 恐らくこのプラットフォーム戦略の事例というのは、単に携帯電話の世界だけではなく、これからの消費財メーカーのビジネスモデルを考えていく上で、大きなひとつのヒントになるのではないかと思っております。
 四番目に、ではこれからauが、ずっと追撃していって勝つのかといいますと、どうもそうではなさそうだと思われます。もっと大きな変化が起こってきそうだということです。それが四番目のお話でございまして、デジタルコンバージェンスは、これからどういう風になるのかというお話です。
 最後に、事例をお話した後、消費財メーカーが、これから考えていくべき、新しい競争優位作りについて、どんな風にしていったらいいのかというのを、最後にまとめまして、五つのお話とさせていただきたいと考えております。

1.産業融合の時代

 さて、最近「脳を鍛える大人のDSトレーニング(脳トレ)」というのをやっているわけですが、バカ野郎と思いますね。俺は昔頭良かったんだと思って、脳トレやりましたら、年齢が85歳と出て。ガクッとしましてですね、大変苦労してるんですけど、任天堂DSですが、大ヒットですね。続いてPSPで出てます「脳力トレーナー ポータブル」。東北大学の川島先生も大変なものを開発したと思いますけれども、大ヒットしています。そしてPSPから「トークマン」が今月発売ということでございますけれども、こういうゲームと携帯と、それからPDA、そういうものが一体となって、今大きく変化しようとしております。
 電通が、ついにネットで民放テレビ局5社と映像配信を始めるということになりました。楽天とか、ライブドアの問題というのは、実は表層的な問題でして、その背後には電通・博報堂があったことは確かなのですが、いよいよ動き出しました。そういうことを事例にしながら、これからお客様のニーズが多様化し、そして高度化していく、そういう世の中、時代におきまして、何が競争作りのポイントになっていくのかということをお話させていただこうと思っています。
 これからのひとつの業界の捉え方としまして、21世紀に入って急速にブロードバンド・インターネットが普及して参りました。NTTのおかげで、これだけ光ファイバーが張り巡らされている国というのは、世界のどこにもありません。それが急速に普及し、同時にデジタル技術も普及して、もう放送と通信の区別がなくなってきました。パソコンの区別もないという風になってきました。そこで、ビッグバンが起こり、それが21世紀に入って、2000年以降、急速に変わって参りました。それを産業の方からいきますと、垂直分業という区分けが、少し変わって参りまして、水平分業も変わってくる。そんな風に変わってきたわけです。製造業と、それから関連するコンテンツ、情報関連産業との間の関係も変わってきたということですが、図のように、先ず技術開発があって、部品、原料を作って、アセンブルして、端末を作って、何らかのゲートウェイ、プラットフォームを通じて、アプリケーション・プラットフォームもまた通じまして、コンテンツサービスを提供して、初めてユーザーニーズが充足するということです。こういう風に、ハードウェアとコンテンツが一体となるというように、垂直分業が一般的には行われています。
 横というのはテレビであったり、通信機であったり、パソコンであったりするわけですが、今、放送とネットの融合の時代が起こっています。この融合の時代の特徴というのは、今までは、技術開発から、端末を作る所までは縦にテレビメーカーがやっていたことです。その先は放送局、代理店がやっていたという分業が、崩れています。通信機メーカーでも同じことが言えまして、パソコンでも同じですが、更に横の分業、「水平分業」と言っていますが、日本企業は縦の分業すなわち「垂直分業」が得意であったわけが、それがどんどん横の分業に変わっていく。横が繋がっていくようになってきて、現段階は放送とネットの融合の時代ですが、いよいよ来年度に携帯電話で、「H264」というビデオ圧縮技術を利用し、地上デジタル放送を使った、ワンセグ放送が始まりますが、恐らくこれを引き金にして、大変な融合が起こってくると思われます。一言で言いますと、放送とネットとエレキの融合、こういうのが起こってくるのではないかということです。

図表1.放送、ネットとエレクトロニクスの融合の時代


 消費財メーカーにとっても、例えば、米は全く売れませんけれども、コンビニで売るおにぎりというのはどんどん増えまして、何と今は1日1,000万個売れております。食パンは全く売れませんけれども、ディズニーランドで食べるお昼のメニューとしてのサンドイッチは増えております。醤油、焼酎は、1リットル100円以下で買わないといういう主婦が沢山います。つまり、メーカーの作っていく「物」というのは、情報とかコンテンツが入って初めて価値を持つということです。ユーザーのニーズが高度化していく時代といえます。それと同じように、垂直分業が、今まではものづくりでした。情報サービスの方は、どちらかというと、水商売的な仕事になっていきます。それは我々のやる仕事ではないんだという構造ではなくなってきているということです。そういう意味で、垂直分業がひとつの統合された形になって、更にそれが横にバラバラになっていって、そして、この横のバラバラになった所が繋がっていく、そういう形で産業の水平的な分業も、垂直的な分業も変わっていく。私どもとしては、それが今の日本のエレクトロニクス産業が置かれている状況であると、認識しております。それを、放送、ネットとエレクトロニクスの融合の時代と呼びます。そういう時代が、来年度にもやってくるのではないかという認識しています。
 そういう中で、日本企業は、日本の産業といってもいいと思いますが、何が強かったのかといいますと、これは、製造装置を含めて、川上が大変強いということです。シェアで、国内と海外でいきますと、国内が54%で、電子材料になりますと65%です。それから電子部品51%というように、川上が大変強く、そこそこの世界シェアを持つという構造なのです。

図表2.ものづくりの強さー川上と垂直統合による摺り合せが強み


 ものづくりの今の強さというのは、川上が強い、つまり部品や製造装置が強いと同時に、垂直統合の部分を、統合することによって、そこで摺り合わせによって、他社とは違うものを作り出すという、ただ単なるそういう強みであったということです。それが今、世界的にグローバル市場の中で融合の時代になりまして、水平分業が、メインの融合のポイントになってきている、そういう段階において、全ての商品で、パソコン化が進んでいます。

[2005.11 『NEXT VISION 2006』講演]

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【参照コンテンツ】
産業融合による情報家電産業の時代 −デジタルコンバージェンスが変える産業と戦略 (2005年)
高収益事業へのシフト戦略 −次世代戦略経営 NEXT VISION 2005より



 SESSION 1. NEXT MARKET PLACE 2006
 SESSION 2. NEXT CONSUMER − 趣都 アキハバラ
 SESSION 3. NEXT MARKETING 2006
 SESSION 4. NEXT STRATEGY 2006 デジタルコンバージェンス時代の新しい競争優位づくり
−プラットフォーム戦略
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