II. 現代の戦略とマーケティング

2.マーケティングの切り口

眼のつけどころ
個人消費を復活させる「第四の矢」とは?

2015.10 代表 松田久一

 消費の低空飛行が続いている。その大きな要因は、消費増税の影響をいまだに引きずっていることだ。アベノミクスによって上昇基調に転換したようにみえた消費は、2014年4月に8%に上げられた消費増税以来、いまだに回復したとは言いがたい状況が続いている。消費増税のインパクトが長引くのは、なぜなのか。

 消費増税の影響が最も大きく現れたのは2014年5月だ。消費支出は、前年同月比で91.2%と落ち込んだ。その後、2015年4月にようやく前年同月比で100.5%と改善したが、増税前の2013年同月と比べると、まだ悪化から抜け出せていない。15年8月でも13年同月比では97.2%となっている。

 日本のGDP(国内総生産)約500兆円のうち、個人消費は300兆円に上る。百貨店や家電量販店の業績を押し上げているといわれるインバウンド消費は、この個人消費の約1%の3兆円程度だ。そのため、個人消費を刺激することが、低空飛行から脱出するための大きなカギになる。

 増税の影響が長引く理由として、具体的には三つが考えられる。