使える戦略思考
-ダイナミックな競争優位創造のマーケティングエクステンション
第5回 ダイナミックな競争優位へのマーケティング

2005.01 代表 松田久一

本シリーズの目指すべきところは「自分で戦略を組み立てるようになる」ということです。戦略思考を学び使えるようになりたい人のために解説をします。

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2.ダイナミックな競争優位とマーケティングの役割

(1)

変化適応のイノベーションが組み込まれたシステム

 短期と長期の矛盾を克服できるような戦略はあるのか。またシステムではない、すぐに変更できるような競争優位があるのか、いうことになります。そうしたとき、現代の戦略で考えないといけない本当の強みとは、例えば持続的でダイナミックな強みや競争優位というものは、イノベーション自身がビルトインされているようなシステムではないのか、ということです。具体的には、市場とか競争、技術の変化に合わせて強みが自動的に再構築されるような仕組みです。そういう仕組みを自己組織型システムとかいうふうに言えるのかもしれないけれども、そういうイノベーションをしていくシステムがビルトインされていることが強みになってくる。現代の戦略を考えていくときにはこうしたことをバックボーンとして考えていかないといけない。強みが弱みになっても、また弱みを強みにしていける、あるいは市場・競争の変化に合わせて自分の強みを作り出すシステムを自在に作り変えるというようなシステム、これが大変重要になる、ということです。

[2005.01 MNEXT]

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