I. 消費社会をどう読むか

1.消費トレンドを読む

眼のつけどころ
ひとりメシの時代

2015.12 代表 松田久一

 現在の日本を人口統計学的に見ると、単身世帯が全体の32.4%と最も大きなウェイトを占めるようになりました。これには若い単身世帯だけでなく、高齢層の単身世帯も含まれています。一方で、ライフスタイル、価値観から見ても、「ゴーイング・ソロ(ひとりで気楽に生きていく)」という考え方が増えてきています。弊社が毎年行っている消費社会白書の最新調査から、こういったトレンドが特に食生活の分野で影響を及ぼしていることが浮き彫りになりました。

 単身世帯が増え、ゴーイング・ソロというスタイルが定着しつつある背景には、LINEやFacebookといったSNSなどのネットワークで個人がつながるようになったことがあります。つまり、「孤独なひとり」ではなく、「ネットワークでつながったひとり」なのです。こういった人たちが増えることで、これらの人を対象とした掃除代行などのサービスも発達してきています。

 特に食生活は、このような流れの影響を受けています。消費社会白書の調査で、ある日の夕食について聞いたところ、全体の約25%が1人で夕食をとっていました。この「ひとりメシ」は、単身世帯に限ったことではありません。2人以上の世帯でも約18%は、ひとりで夕食をとっています。