I. 消費社会をどう読むか

1.消費トレンドを読む

眼のつけどころ
階層社会でマス市場を狙うには

2015.11 代表 松田久一

 「あの人が持っているあの商品が、ほしい!」「あの人が持っているものは、私はいらない」。そんな"張り合い消費"が、現在の消費を捉える上で有効になってきている。弊社が毎年行っている「消費社会白書2016」のオリジナル最新調査で、その実態が明らかになった。

 これまではインポートブランドのバッグや時計、自動車など、みんなが持っていないものを持つことを、見せびらかし消費やステータス消費といってきた。だが、今の状況を表す張り合い消費は、以前とは違って階層意識と結びついている。

 消費増税後、消費は低空飛行が続く。一方で、100万円以上の高級時計に人気が集まり、よく売れている。時計は他者の目につきやすく、男性、女性を問わず、この張り合い消費の象徴となっている。一昔前は、ロレックスなどの高級時計が人気で、一部の富裕層が、中流層に見せびらかすためのステータス価値を持っていた。しかし現在は、フランク・ミュラーやウブロといった200万円、300万円の時計が百貨店などでよく売れているという。