I. 消費社会をどう読むか

3.時代の流れを読む

21世紀の新しい消費の現実

2015.11 代表 松田久一

本稿は、「消費社会白書2016」の巻頭言として掲載されたものです。

 「シングル社会への価値転換と張り合い消費」の時代。

 今年度は、消費と市場の背景をこうとらえた。家族が社会の基礎となり、地域社会が形成され、働き手を生み出し、家族から消費が生まれる、と長い間考えられてきた。誰もが結婚し、家族をつくり、家族だんらんの夕食をとって、一汁三菜に象徴される和食を食べ、郊外の戸建てに住む中流の生活をする。これは、守るべき大事な生活スタイルである。しかし、現実は大きく違っている。

 シングル社会化がますます進んでいる。「ゴーイング・ソロ」(ひとりで気楽に生きていく)というスタイルが先進国では大きな流れとなっている。24時間、個人と個人はネットで繋がっているので「さみしい生活」ではなく、「自由」で「気楽な」生活である。当然、人口は減少し、30万人未満の人口の地方都市は、より大きな地方都市へ、特に東京への人口集中が進んでいる。この影響は、家族を主な顧客にして地方都市に出店してきた総合量販店の撤退として現われている。

[2015.11. MNEXT]

書籍イメージ

2015.12 発行
版形:A4版カラー
本体9,260円+税

シングル社会への価値転換と張り合い消費

発刊以来13年間の知見とデータから「今」を鋭く分析し、「半歩先」を提案
オリジナルの時系列調査から現在の消費者の実像に迫る
中長期だけでなく、短期のマーケティング戦略を構築するための基本データが満載