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I.消費社会をどう読むか
hr
3.時代の流れを読む
クール・ジャパンが消費回復を牽引する
代表 松田久一

 消費回復の空気が広がってきた。DVDレコーダー、薄型テレビ、デジタルカメラの「三種の神器」は言うに及ばず、衣料、飲料や食品などの分野から鉄鋼などの素材分野まで需要増の動きが見られる。この結果、東証一部上場企業の売上高は前期比2.2%増、当期利益は同63.9%増となり、トヨタ自動車の連結決算による当期利益は1兆円を突破し1兆1,620億円となった。近年のリストラ効果、デジタル家電や自動車などのアメリカへの輸出と広範な商品サービスの成長と中国への輸出が企業収益の回復につながっている。企業業績の回復が、株式市場の価値上昇をもたらし、主要大手銀行の黒字決算に繋がり、不良債権も半減しようとしている。
 こうした状況のなかで懸念されるのは、アメリカと中国の金利引上げによる成長減速、為替リスクや石油などの資源価格となりつつある。しかし、やはり内需主導の経済回復の鍵を握るのは国内総生産(GDP)の約60%を占める個人消費である。その個人消費が動き始めた。しかし、収入や雇用などの経済的要因がよくなっている訳ではない。寧ろ、2003年の家計収入は減少し約600万円を切っている。企業収益が回復して、所得増と雇用増に繋がり、消費が回復するなどとのん気な事は誰も思っていない。考えられるのは、収入などの実態ではなく消費心理の変化しかない。様々な消費意識の動向調査からは、「ITバブル」と呼ばれた2001年と同程度に回復していることがわかる。なぜ、マインド回復が始まったのであろうか。
 日本人の個人の「自信」が回復し始めたと結論づけたい。企業の経営者や企画スタッフには新しい再成長の機会が訪れたのである。同時に、この機会が脅威であることも付け加えたい。成功の鍵は消費マインドを捉えることにある。

[2004.07 「NOVA Vol.79」 日立キャピタル(株)]

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