I. 消費社会をどう読むか

3.時代の流れを読む

小泉政権調査-「構造改革あれど消費回復なし」特別解説

2001.07 代表 松田久一

本コンテンツは、J-marketing.net コンテンツ、消費者調査「第1回 小泉政権調査 -構造改革あれど消費回復なし」の特別解説です。

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気概の政治

 かくすればかくなるものと知りながら己やむに己やまれぬ大和魂。吉田松陰の感慨である。明治維新の精神的支柱となった松蔭が国禁を犯し渡航を企て、幕府によって投獄された際のものである。現首相小泉純一郎はかつて負けると知りながら敗れた自民党総裁選への出馬インタビューでこの句を引用している。異常な支持率を誇る小泉首相の支持者も同じ心境に違いない。構造改革をすれば、不景気になると知りながら、己やむに己やまれぬ小泉支持。調査結果の要点である。

 現代社会の現実は、これまでの社会諸科学からみれば、捩ねじれに捩ねじれている。経済政策の基礎となる経済学はその典型であろう。経済理論の現場は、ケインズ経済学も、新古典派も、入り乱れて百家争鳴の観がある。その最新理論から繰り出される財政政策は空振り、金融政策も虚しく、政策のタイミングのズレも重なってこの「失われた十年」は経済失政の連続である。もはや理論的破綻は明らかである。理論からみると現実は捩ねじれている。

 大手銀行は、経営破綻しても蝶よ花よと保護され、野に生き延びる草莽そうもうとしては堪たまったものではない。おまけに、税金を公共投資という名で大手ゼネコンにつぎ込まれ、国債や地方債などの国と地方の借金が約660兆円で財政破綻。失業対策も老後の年金も心もとない。気概のある政治家を求めるのも無理はない。