I. 消費社会をどう読むか

2.消費リーダーを斬る

世代交代するネットリーダー-オタクから有職主婦へ

2000.08 代表 松田久一

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ネットユーザーの幾何級数的拡大

 驚くべきスピードで、インターネット利用者が増えている。郵政省が今年度6月発表した「通信白書」によれば2,706万人である。99年度下期の発表では1,700万人だった。凡そ1,000万人が新たにインターネット利用者になったことになる。

 弊社の首都圏50キロ圏の男女個人を対象とする調査では、約44%のインターネット利用率である。恐ろしい程のスピードで、社会のインターネット化が進んでいる。人口学の創始者マルサスが予測した幾何級数的な増加である。

 生物の人口は、一定の栄養環境では成長成熟曲線を描くことが知られている。しかし、この生育食糧環境が異なれば人口は爆発的に増えていく。日本の人口急増は、縄文、弥生、江戸、そして明治以降と四度あったことが知られている。この背景には、食糧生産の劇的革新があったのである。インターネットユーザーが劇的に増えているのは、同じような環境の変化があったからである。それは言うまでもなく、携帯電話でインターネットが利用できるようになったこと、利用端末の激変である。 

 これまでのインターネット利用はパソコンを使うことが前提にされていた。パソコンのキーボードはタイプライターを打つ伝統のない日本では最後の最後まで普及の壁になった。NTTドコモのiモードなどのインターネットが利用できる携帯電話は26個のキーを持つタイプライターなしで12個のボタンで操作できる。単純に考えても面倒さが半分以下になったのである。これは「ひらがな」のもつ日本語文化と手先の器用さという日本文化の強さである。

 このインターネット利用の劇的普及は電子商取引(EC)市場の成長をもたらす。インターネットによって、「いつでも、どこでも、どんな方法でも」、情報を入手し、商品サービスを選んで購入、決済できるようになる。買い物の24時間化、買い物の手間や時間の削減、商品サービス選択の豊富さなどをもたらすことになる。買い物革命が起こり、自分の生活スタイルにあった買い物をすることが可能になるという便益がもたらされる。

 5年後には約6兆7千億と推定されている「消費者向け市場(B2C)」である。この通産省などの予測はインターネット利用者の急増をほとんど考慮に入れていない。当社の予測では約18兆円と推定している。総小売販売額の約13%、国内総生産(GDP)に占める消費支出の約6%、GDPへの単純な単年度成長寄与率は約1.2%と推定される。スーパーなどの組織小売業は、70年代に急速に発展し、日本の流通システムに劇的な変化をもたらしたが、ネット化のスピードはその倍以上だと予測される。このインターネット化を急速に進めてきたネットリーダーは誰か。そして、今後は、誰がリードするのか、これらを検証してみたい。