アメリカでいわれている、X世代に次ぐ世代のことです。戦後のアメリカにおける世代は、1945年~1959年生まれのベビーブーマーと、1960年~1974年のX世代、そしてY世代の大きく三つに分類されています。Y世代の語源は、X世代の次の世代ということに起因します。Y世代は、両親が共に戦後生まれであり、X世代とは消費行動やライフスタイルが異なっており、i-podやトヨタ車の好調はY世代によって支えられているといわれています。
日本におけるY世代は、1976年生まれ以降のポストバブル世代(ポスト団塊ジュニアともいわれている世代)にあたります。アメリカのY世代同様、大半が両親とも戦後生まれであることや、15歳~25歳の青年時代にバブル経済を体験していないこと、インターネットの普及やポケベル、PHS、携帯電話を青年時代からコミュニケーションツールとして活用していることなどから、団塊ジュニア以前の世代(アメリカのX世代)とは、大きく異なる特徴を持っています。
日本におけるY世代は、1971年~1974年生まれの団塊ジュニア世代も含んで捉えられることもありますが、時代背景や親の世代などにより、団塊ジュニア世代は含まないものとして捉えることが妥当と考えられます。
日本におけるY世代は今日までに、ガングロ・マンバ・ニートなど、さまざまなライフスタイルを生み出してきましたが、さまざまなヒット商品も生み出しており、市場インパクトを与えています。
2004年におけるY世代発のヒット商品をみると、携帯電話やインターネット発のものとして、携帯電話専用サイトで配信された小説『DEEP LOVE』や、インターネットの掲示板サイト「2ちゃんねる」内の掲示板から書籍化された『電車男』などは、Y世代発ヒットの代表的です。また、日産の『キューブ』も、Y世代が牽引したヒット商品といわれています。前者は、Y世代を捉える上でのカギとなる携帯電話やインターネットという情報ツールを活用し、理想ではなく極めて等身大のこの世代の共感を呼ぶコンテンツを配信したことが、後者はこの世代の価値観の中心となる「個性」「自分らしさ」を捉えたことが、それぞれヒットの要因として考えられます。
すでに市場を牽引しつつあるこの世代の価値観や今までの世代には見られなかった特徴をつかむことが、今後の消費市場を捉えていく上でのポイントとなり、また成功のカギとなっていきます。
無料の会員登録をするだけで、
最新の戦略ケースや豊富で鮮度あるコンテンツを見ることができます。
おすすめ新着記事
成長市場を探せ ビスケット市場、4年連続プラスで初の4,000億超えに(2024年)
緩やかに増減を繰り返してきたビスケット市場が伸びている。2020年から4年連続プラスで、2023年はついに4,000億円を超えた。コロナ下でも堅調な動きを見せ、2023年の販売金額は4,260億円で、コロナ前の2019年比で1.13倍となった。
消費者調査データ ノンアルコール飲料 首位は「ドライゼロ」、追う「オールフリー」「のんある気分」
2022年のノンアルコール飲料市場は8年連続で拡大を続け、過去最高と推定される。調査結果をみると、ビールテイストの「アサヒ ドライゼロ」が、全項目で首位を獲得したが、再購入意向ではカクテルテイストやワインテイストなどのブランドも上位に複数ランクイン、ノンアルコール飲料の幅の広がりを示している。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 20代男性の内食志向にマッチして伸びる冷凍餃子
数ある冷凍食品の中で圧倒的1位の生産量を誇る冷凍餃子は誰がなぜどのように購入しているのか調べてみた。餃子の選好度、購入頻度、購入増減とも20代が他の年代に比べて高く、冷凍餃子は若い年代が牽引して、拡大してきていることがわかった。