SaaSとは、「Software as Service」の頭文字をとった略称で、PCユーザーが自分のPCにアプリケーション・ソフトをインストールして使用するのではなく、ネットを通じて、ソフトウェアのベンダーが提供する機能を必要に応じて利用する仕組みのことを指します。
アプリケーション・ソフトをライセンス販売するという形でのビジネスモデルではなく、ソフトの機能をサービスとして提供し、その使用料(月額単位など)を取るという点で、これまでのビジネスモデルとは異なるものということができます。
では、SaaSは、1990年代後半に登場したASP(Application Service Provider)とどのように違うのでしょうか。本質的な違いはないという見方もありますが、SaaSは、ASPが登場した時代と比べ、高速回線を安価に使用できる点や、ひとつのサーバを複数のユーザーが利用するマルチテナントが主流である点、その上で、最初からこうした利用を前提としたソフトウエア開発が行われ、ユーザーが用途に応じて必要最小限のサービスを設定したり、WebサービスのAPIが公開されている場合はWebサービス経由で外部アプリケーションとSaaSを連携させた利用も可能であるといった点から、ASPとは違うものといわれています。
SaaSは、初期費用が比較的安価と言われ、また従量料金制であることから、これまで高額で買い取り制であったためにアプリケーション・ソフトを利用できなかった層の開拓可能性を秘めていると考えられます。ネットに接続できれば、使いたいソフトが従量課金で利用できるという条件が登場したことが、様々なインパクトを与えることになると予想されます。
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