マルコム・ボルドリッジ賞(MB賞)とは、顧客満足の改善や実施に優れた経営システムを有する企業に授与される賞で、米国国家経営品質賞とも呼ばれます。製造、サービス、中小、教育、医療などの部門があり、授賞式では大統領自らが表彰を行う権威ある賞です。
MB賞は、1980年代の米国の国際的競争力の大幅な落ち込みに対処すべく、1987年のレーガン政権のもとで、製造業再生の戦略的ガイドラインとして、その設立に尽力した商務長官の名を冠して創設されました。審査は、「経営品質(TQM:Total Quality Management)」の考え方に基づき、「リーダーシップ」(120点)、「戦略策定」(85点)、「顧客、市場の重視」(85点)、「情報と分析」〔90点)、「人材開発とマネジメント」(85点)、「プロセス・マネジメント」〔85点)、「業績」(450点)など7部門計1,000点満点で採点が行われます。
MB賞は日本生まれのTQCを徹底的に研究してつくられたものですが、TQCと違い、製造工程だけでなく、全社的な経営システムが審査対象となります。このMB賞を徹底的逆輸入、研究し1995年に創設された日本版MB賞といえるのが「日本経営品質賞」です。
MB賞の受賞は、企業の提供する「顧客満足」の品質について重要なエビデンスとなりえます。これまでの受賞企業には、モトローラ、テキサス・インスツルメンツ、リッツ・カールトンなど国際的な大企業も含まれています。
しかしMB賞の一番の意義は、優れた企業経営の手法を提示し、その審査基準(クライテリア)をベンチマークとして、他企業の経営品質を向上させることです。
また、審査基準は毎年改訂、公開されています。採点上の基準、優良な企業の基準が明確に定義されることで、各企業はセルフアセスメント(自己評価)により、自社の戦略やプロセスなど経営全般について、抜本的、継続的な改革を行います。
このような品質向上プロセスを「ボルドリッジTQM」と呼ぶこともあります。
参照コンテンツ
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