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マーケティング用語集
敵対的TOB
1.敵対的TOBとは
 敵対的TOBとは、買収対象会社の経営陣や関連会社の同意を得ずに行われるTOB(株式公開買い付け)のことをいいます。反対に、買収対象会社が買収に協力的な場合を、友好的TOBといいます。

2.敵対的TOBへの防衛策
 70~80年代にかけて企業買収が激化したアメリカでは、敵対的TOBに対するさまざまな防衛策が考案されました。以下にその予防策・対抗策の主要なものを挙げます。

予防策

  • ポイズンピル(毒薬)
    敵対的TOBに対する防衛策として代表的なもので、米上場企業の約4割が導入している。敵対的買収者を除く既存株主に市場価格を大幅に下回る価格で株式を購入する権利を与え、敵対的買収者が一定の株式を取得した場合に、新株(毒薬)を発行して買収者の持ち株比率を下げる方法。
  • ゴールデンパラシュート(金の落下傘)
    敵対的買収によって経営陣が解任された際に巨額の割り増し退職金を支給する(危機的状況から多額のお金を手に飛び降りる)ことを予め規定し、敵対的買収者の買収コストを膨らませ、買収後の企業価値を低下させる方法。
  • スタッガードボード(捻じれた役員会)
    全役員が一度に選出されないように役員の改選時期をずらして部分的に選任 を行い、敵対的買収者に一度に経営権を握らせない方法。

対抗策

  • ホワイトナイト(白馬の騎士)
    第三者の友好的買収企業(白馬の騎士)に株式を購入してもらい、敵対的買収者を避ける方法。
  • パックマン・ディフェンス
    買収対象企業が、買収を仕掛けた企業の株式を購入し逆に買収を仕掛ける方法(ゲーム パックマンの敵に飲み込まれるイメージ)。
  • スコーチド・アース(焦土作戦)
    敵対的買収が発生した際に、優良資産・収益性の高い事業を売却し、買収の動機を削ぐ方法。


3.日本における敵対的TOBの事例
 03年12月、米投資ファンド「スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド(以下スティール)」が、東証2部上場のユシロ化学工業(以下ユシロ)と毛織物染色業大手のソトーに、日本で初めての本格的な敵対的TOBを仕掛けました。スティールは両社の株主に市場価格よりも高い買い付け価格を提示、ユシロ/ソトーは1株配当金を大幅増配し対抗、それを受けて上昇した株価がスティールの買い付け価格を上まわり、結局TOBは不成立となりました。
 日本でそれまで敵対的TOBがなかった理由には、多くの企業が強固に株式を持ち合いTOBに応じる浮動株が少ない、と認識されていたことがあげられます。しかし、実際には株式持ち合いは90年代後半から大きく崩れており、スティールによるユシロ、ソトーの敵対的TOBは、市場では安価な株が買われること、有効活用されていない資産は株主に還元されること、という資本主義の考え方が徹底された画期的な出来事であったといえます。




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