一般にマーケット・セグメンテーションとは「消費者をなんらかの意味で同質的な消費者グループに分割する」ことと定義されます。ユーザーニーズを的確に把握し、何らかの尺度によって市場を分割し、自社の強み・弱みや、競合状況に応じて、対象とするセグメントを評価選択することが重要なポイントになります。
マーケット・セグメンテーションの理解は年代によって違いがみられます。70年代には市場セグメント戦略と考えられ、80年代、ポーターの「基本戦略の考え方」が通念化するとともに、差別化戦略の基礎となる独自の市場研究の手法であるという理解がすすみました。
そして最近では、市場研究の手法であるという考え方と、差別化戦略とは異なる「市場セグメント開発」であるという考え方に定着しつつあります。
消費者、顧客を分類する方法にはさまざまなものがあります。地域別、年齢別、所得別などの人口統計的区分が最もベーシックなものです。高度成長期には、同じ地域、同じ年齢、同じ所得でも違った消費スタイルの人達が増え、人口統計的区分では十分説明できないということで、ライフ・スタイルによる区分が盛んになりました。
分類の変数は無限にあります。その中からどのような基準で選択すればよいのでしょうか。P・コトラーは決定条件として「測定可能であり、アプローチができ、ビジネスとなる市場規模があること」という3条件をあげています。
我々はこれに現場での「納得条件」を加えて考えることが必要と捉えています。具体的には「ブランドの発達の歴史、技術の発達の歴史、生活の発達の歴史の3点から納得できること」であり、そのことが市場の経験を反映させることになるわけです。
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