日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

(2017.11)
月例消費レポート 2017年11月号
消費回復は引き続き堅調
-実体経済の回復とマインド復調を両輪に膠着状態からの脱出を模索
主任研究員 菅野 守



本コンテンツの図表は、有料会員サービスでの公開となっております。
ご利用には有料の会員登録が必要です。
ご登録済みの方は、こちらから全文をご利用ください。
会員のご登録はこちらをご覧ください。

 JMR消費INDEXは、2017年7月時点まで、上昇傾向を保っている(図表1)。INDEXを構成する個々の変数の動きをみると、支出水準関連指標では2017年8月以降、3項目全てが前年同月比で悪化となっている。他方、販売関連指標では、2017年9月時点で判明している9項目中、改善が6項目、悪化が3項目となり、前月よりも改善の側が更に優勢となっている。消費の動きは前月に引き続き、方向感が定まらない状況が続いている(図表2)。

 公表された2017年9月以降の各種経済指標から、消費を取り巻く状況を整理すると、消費支出は、2017年9月現在、名目と実質ともにマイナスに転じている。10大費目別にみると、実質ではマイナスの費目数の方が大きく上回っているが、名目ではプラスの費目数とマイナスの費目数とが拮抗している。費目間での好不調の格差は前月同様、名目と実質の双方で際立っているが、伸び率の値は、プラスの費目では前月よりも大きくなっているのに対し、マイナスの費目では前月よりも小さくなっている。10大費目別では、改善の側の勢いが強まり、悪化の側の勢いが弱まる傾向にあるといえよう(図表5、図表6)。販売現場での動きとして、2017年9月現在、商業販売や外食などの日常生活財は総じてプラスを保ち、改善の動きが続いている(図表11、図表15)。耐久財のうち、新車販売では、乗用車(普通+小型)はマイナスに転じたが、軽乗用車は引き続きプラスを保っている。新設住宅着工戸数は、総じてマイナスとなっているが、分譲マンションを除き、マイナス幅はわずかなものにとどまっている。家電製品出荷も、概ねマイナスとなっているが、伸び率の値は黒物家電を中心に改善の動きがみられる。耐久財では、前月と同様にカテゴリー間で好不調が分かれるとともに、カテゴリー内でも改善と悪化の動きが混在し、一進一退の状況にある(図表12、図表13、図表14)。雇用環境は、有効求人倍率と完全失業率のいずれでみても、息の長い盤石ぶりをみせている(図表8)。収入環境についても、現金給与総額、所定内給与、超過給与額の全てが2ヶ月連続でプラスとなり、改善の動きが続いている(図表9)。消費マインドも、景気ウォッチャー現状判断DIと消費者態度指数はともに2ヶ月連続で改善しており、消費マインドにも復調の気配が見え始めている(図表10)。

 経済全般の状況に着目すると、輸出は改善の動きが進展している。生産も、上昇傾向を保っている(図表16、図表18)。マーケットの動向をみると、為替と株価は、9月上旬以降、円安・株高の局面が続いており、11月7日には株価は終値で約25年10か月ぶりの高値となった(図表21)。長期金利は、10月半ば以降0.07%前後を天井に概ね横ばいで推移してきたが、11月に入り再び低下に転じている(図表22)。

 雇用環境の盤石ぶりと収入環境の改善に、新たに消費マインドの復調の気配も加わる中で、消費は、強弱両材料が交錯し一進一退の状況にありつつも、底堅さを保っている。輸出と生産の改善が続くとともに、円安・株高が進行し長期金利が低下に転じていることで、景気と消費の先行きに対する追い風は更に強まっている。この先、実体経済の回復の進展とマインドの復調を両輪に、消費が膠着状態を抜け出し本格回復への道筋をつけられるかが、次の課題となるだろう。来るべき今冬のボーナス商戦や年末年始の旅行・レジャー動向が、今後の消費を占う試金石となりそうだ。

【図表を含めた完全版を読む】(有料会員向け先行公開)
※会員のご登録はこちらをご覧ください。

 

本論文に関連する統計データ

会員登録のご案内
消費社会白書2018
「戦略200+」比較分析ツールのご案内
page top

JMR生活総合研究所マーケティングサイトに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。著作権はJMR生活総合研究所に属します。

Copyright (c) 1997-2017 Japan Consumer Marketing Research Institute. All rights reserved.