-マインド改善を消費の本格回復の好機にできるかが鍵
2017年5月7日(フランス現地時間)に投開票された、フランス大統領選の決選投票で、中道派無所属のエマニュエル・マクロン氏が極右派国民戦線のマリーヌ・ルペン氏に勝利し、フランス史上最年少の大統領が誕生することとなった。ルペン氏の敗北によりフランスのEU離脱が回避されたことを好感し、5月8日の東京株式市場では、株価は一時年初来高値を更新した。今後予定されているイギリスやフランスでの議会総選挙の動向含め、欧州各国が抱える政治的困難は当分続きそうな気配ではあるが、米国でのトランプ政権誕生とともに、海外景気の波乱要因としてくすぶり続けてきた欧州の政治リスクも、徐々に沈静化していくものと期待される。
2017年4月20日に内閣府より公表された、2017年4月の月例経済報告によると、景気の基調判断は、現状並びに先行きともに、前月3月に引き続き据え置きとなっている。今月4月は、企業の業況判断が4か月ぶりに上方修正されるとともに、海外の景気についての現状判断も5か月ぶりに上方修正されている。米国景気の現状並びに先行きに対する判断の上方修正が、海外景気に対する判断の上方修正に寄与していると目される。今月4月の時点では、輸出に対する判断は、前月3月に引き続き据え置きとなってはいる。今後(も)、海外での景況改善が続いていけば、輸出に対しても上方修正の判断がなされ、さほど時間を置かずに、生産や消費、最終的には景気の現状判断にも上方修正の動きが広がっていくものと、見込まれる。今月4月の月例経済報告に示された政府のスタンスからは、近い将来における基調判断の上方修正への、強い期待感がにじみ出ている。
日銀は、2017年4月26日~27日に開かれた金融政策決定会合の場に提出された「経済・物価情勢の展望」の中で、景気の現状並びに先行きに対する判断を、双方とも上方修正した。景気の現状判断で「拡大」の文言が盛り込まれたのは、2008年3月以来のこととなる。各分野での現状判断として、輸出、生産では上方修正がなされている。設備投資に関しても、更なる改善を示唆する新たな文言が盛り込まれるなど、上方修正含みの判断が示されている。各分野での先行き対する判断として、2018年度までは、設備投資、個人消費、公共投資に関して増加の見通しが示されている。今月4月の「経済・物価情勢の展望」に示された日銀のスタンスからは、景気の現状と今後1~2年間の景気の先行きに対する、並々ならぬ自信がうかがわれる。
政府並びに日銀による最新の景況判断からは、両者ともに、景気の現状並びに先行きに対し、以前よりも強気なスタンスが示されている。とりわけ、政府よりも更に踏み込んだ、日銀の強気な姿勢からは、その判断の性急ぶりがより一層際立って見えてくる。
参照コンテンツ
おすすめ新着記事
成長市場を探せ ビスケット市場、4年連続プラスで初の4,000億超えに(2024年)
緩やかに増減を繰り返してきたビスケット市場が伸びている。2020年から4年連続プラスで、2023年はついに4,000億円を超えた。コロナ下でも堅調な動きを見せ、2023年の販売金額は4,260億円で、コロナ前の2019年比で1.13倍となった。
消費者調査データ ノンアルコール飲料 首位は「ドライゼロ」、追う「オールフリー」「のんある気分」
2022年のノンアルコール飲料市場は8年連続で拡大を続け、過去最高と推定される。調査結果をみると、ビールテイストの「アサヒ ドライゼロ」が、全項目で首位を獲得したが、再購入意向ではカクテルテイストやワインテイストなどのブランドも上位に複数ランクイン、ノンアルコール飲料の幅の広がりを示している。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 20代男性の内食志向にマッチして伸びる冷凍餃子
数ある冷凍食品の中で圧倒的1位の生産量を誇る冷凍餃子は誰がなぜどのように購入しているのか調べてみた。餃子の選好度、購入頻度、購入増減とも20代が他の年代に比べて高く、冷凍餃子は若い年代が牽引して、拡大してきていることがわかった。