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(2013.06)
月例消費レポート 2013年6月号
3月から落ち込み、一進一退が続く消費INDEX
主任研究員 菅野 守



1.はじめに
 梅雨入り後も、マーケットの波乱が続いてはいるが、実体経済の動きを見る限り、景気は目下、着実な回復を見せている。
 2013年6月13日に内閣府より公表された「月例経済報告(平成25年6月)」によると、景気の現状について、2013年4月は「景気は、一部に弱さが残るものの、このところ持ち直しの動きがみられる。」としていたが、5月は「景気は、緩やかに持ち直している。」、更に6月は「景気は、着実に持ち直している。」とし、基調判断は2ヶ月連続で上方修正された。先行きについて、2013年4月と5月はともに「輸出環境の改善や経済対策、金融政策の効果などを背景に、マインドの改善にも支えられ、次第に景気回復へ向かうことが期待される。」としていたが、6月は「輸出が持ち直し、各種政策の効果が発現するなかで、企業収益の改善が家計所得や投資の増加につながり、景気回復へ向かうことが期待される。」とし、上方修正含みの判断が示されている。景気の下押しリスクをもたらす要因について、2013年4月と5月は「海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、雇用・所得環境の先行き等にも注意が必要である。」としていたが、6月には文言の一部が削除され、「海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっている。」としており、上方修正を示唆する形に改められている。
 個別項目を見ると、輸出は、2013年4月の「下げ止まりつつある。」から、5月の「持ち直しの兆しがみられる。」を経て、6月は「持ち直しの動きがみられる。」へと、更に2ヶ月連続で上方修正された。生産は、2013年4月の「持ち直しの動きがみられる。」から、5月の「緩やかに持ち直している。」を経て、6月は「持ち直している。」へと、2ヶ月連続で上方修正されている。住宅建設は2013年5月の「底堅い動きとなっている。」から、6月は「持ち直している。」へと上方修正された。公共投資は2013年5月の「底堅い動きとなっている」から、6月は「堅調に推移している」へと上方修正されている。企業収益は、2013年4月の「大企業を中心に改善の兆しがみられる。」から、5月の「大企業を中心に改善の動きがみられる。」を経て、6月は「製造業を中心に改善している。」へと、2ヶ月連続で上方修正された。雇用情勢は2013年5月の「依然として厳しさが残るものの、このところ改善の動きがみられる。」から、6月は「厳しさが残るものの、改善している。」へと上方修正されている。他方、倒産件数は2013年5月の「このところ緩やかに減少している。」から、6月は「おおむね横ばいとなっている。」へと、唯一下方修正されている。
 海外経済の現状については、「世界の景気は、弱い回復が続いているものの、底堅さもみられる。」としている。先行きについては、「当面、弱い回復が続くものの、次第に底堅さを増すことが期待される。」としている。現状と先行きのいずれも、2013年4月と5月に引き続き、6月も判断は据え置かれている。海外経済の先行きに対するリスク要因に関しては、2013年4月と5月は「欧州政府債務危機が引き続き景気の下振れリスクとなっている。また、アメリカにおける財政問題等にも留意する必要がある。」としていた。6月には、それまでの「欧州政府債務危機」が「欧州政府債務問題」へと文言が修正され、欧州の財政問題については若干トーンダウンしている一方で、「アメリカにおける財政問題の影響や中国経済の先行き等にも留意する必要がある。」との言及もなされており、中国経済の先行きに対する警戒感が新たにクローズアップされている。
 地域別にみると、アメリカに関しては、景気の現状について、2013年4月の「景気は緩やかな回復傾向となっている」との文言が、5月と6月にも踏襲されており、判断は維持されている。先行きについても、2013年4月の「緩やかな回復傾向で推移すると見込まれる。」との文言が、5月と6月にも踏襲されており、判断は維持されている。景気の下押しリスクをもたらす要因については、2013年4月の「財政問題への対応による影響や雇用情勢等の推移に留意する必要がある。」から、5月は一部文言が削除されて「財政問題への対応による影響等に留意する必要がある。」とし、判断は上方修正された。6月は5月の文言が踏襲され、判断は維持されている。
 アジア地域のうち、中国に関しては、景気の現状について、2013年4月の「景気の拡大テンポはやや持ち直している」との文言が、5月の「景気の拡大テンポは依然緩やかなものとなっている。」を経て、6月は「景気の拡大テンポは依然緩やかなものとなっており、一部に弱めの動きもみられる。」とし、判断は2ヶ月連続で下方修正された。先行きについては、2013年4月の「依然不確実性が残るものの、各種政策効果もあり、緩やかな拡大傾向となることが見込まれる」から、5月は「緩やかな拡大傾向が続くと見込まれる。」へと判断は上方修正されたが、6月は「当面、拡大テンポは緩やかなものにとどまると見込まれる。」とし判断は下方修正されている。景気の下押しリスクをもたらす要因について、2013年4月の「輸出や不動産価格の動向に留意する必要がある。」から、一部文言の順番が入れ替えられ、5月と6月はともに「不動産価格や輸出の動向に留意する必要がある。」としている。韓国と台湾に関しては、景気の現状について、2013年6月は5月に引き続き「景気は足踏み状態となっている。」としている。韓国については2013年4月以降、判断は据え置かれている。台湾については、2013年5月に判断が下方修正され、6月は判断が据え置かれている。先行きについては、両国ともに「当面、足踏み状態が続くものの、次第に持ち直していくことが期待される。」としている。韓国については2013年4月以降判断が据え置かれ、台湾については2013年5月に判断が下方修正された後6月は判断が据え置かれている。景気の下押しリスクをもたらす要因については、2013年6月も4月や5月と同様、「輸出の動向に留意する必要がある」としている。インドに関しては、景気の現状について、2013年4月の「景気は緩やかに減速している。」との文言が、5月と6月にも踏襲されており、判断は維持されている。先行きについても同様に、2013年4月の「当面、低めの成長となることが見込まれる。」との文言が、5月と6月にも踏襲されており、判断は維持されている。景気の下押しリスクをもたらす要因については、2013年5月の「物価上昇によるリスクに留意する必要がある。」から、6月は一部文言が修正され「物価上昇の動向に留意する必要がある。」としている。
 ヨーロッパ地域に関しては、現状について、2013年4月の「景気は弱い動きとなっている」から、5月は「景気は一部に下げ止まりの兆しもみられるが、総じて弱い動きとなっている。ドイツでは、足踏み状態となっているものの、一部に底堅さもみられる。」とし、判断は上方修正された。6月は5月の文言が踏襲され、判断は維持されている。先行きについては、2013年4月の「「当面、弱い動きとなるものの、次第に底入れに向かうことが期待される。」との文言が、5月と6月にも踏襲されており、判断は維持されている。景気の下押しリスクをもたらす要因として、2013年5月では「一部の国々における財政の先行きに対する不安が再燃した場合、金融面への影響等を通じて景気が低迷するリスクがある。」としていたが、6月は一部文言が修正され「政府債務問題等による金融面への影響を通じ、景気が下振れするリスクがある。」としており、EU諸国内での債務危機再燃への懸念は、やや薄らいだ格好だ。他方、「各国の財政緊縮による影響や、高い失業率が継続すること等に留意する必要がある。」との文言は、2013年6月にも4月や5月と同様踏襲されている。
 以上に示した2013年6月報告では、輸出や生産を始めとして、実体経済の回復が広範囲で確認されたことが、前向きに評価されている。設備投資については、今回の報告ではまだ上方修正を示すには至っていない。海外経済の動向については、欧州経済の先行きへの懸念が和らぎつつある一方で、中国経済に対する見通しで下方修正が続くなど、中国経済の先行きに対する警戒感が新たにクローズアップされている。足許における円高・株安への反転の動きについては、甘利経財相自身、「一喜一憂する必要はない」と前置きはしつつも、実体経済への悪影響に対する警戒姿勢は崩しておらず、景気回復の動きはまだ盤石とは言い切れないとみているようだ。甘利経財相を始めとする内閣府幹部は、今後の設備投資の回復に強い期待を寄せており、堅調な推移を続ける個人消費との両輪で、景気の本格回復につなげていきたい構えだ。

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