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(2012.04)
月例消費レポート 2012年4月号
消費マインドは好転するも、ピークアウト気味の消費INDEX
菅野 守



1.はじめに
 新年度に入り、景気の先行きに対し明るい材料が一部で出始めてはいるものの、日本経済の先行きは、いまだにおぼろげなままだ。
 2012年4月12日に内閣府より公表された「月例経済報告(平成24年4月)」によると、景気の現状について、2012年4月も前月と同様、「景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、緩やかに持ち直している。」とし、6ヶ月連続で基調判断は据え置いた。先行きについても、2012年3月と同様、「各種の政策効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が確かなものとなることが期待される。」とし、判断を据え置いている。景気の下押しリスクをもたらす要因については、2012年3月の「原油価格の上昇」から2012年4月には「原油高の影響」へと一部文言が修正されてはいるものの、ほぼ前月の判断を踏襲している。
 個別項目を見ると、住宅建設は、首都圏や東日本大震災の被災3県などで新設住宅着工戸数が伸びていることを受けて、2012年3月の「このところ横ばいとなっている。」から2012年4月には「このところ持ち直しの動きがみられる。」とし、7ヶ月ぶりに上方修正された。輸出は、アジア向けや米国向けの回復などを好感し、2012年3月の「このところ弱含んでいる。」から2012年4月には「横ばいとなっている。」とし、8ヶ月ぶりに上方修正された。輸入は、原発事故に伴う火力燃料の調達が一段落したことを受けて、2012年3月の「このところ増勢が鈍化している。」から2012年4月には「横ばいとなっている。」とし、3ヶ月ぶりに下方修正されている。業況判断は、2012年4月の日銀短観(企業短期経済観測調査)を踏まえ、2012年3月の「大企業製造業で低下しており、全体としても小幅改善となっている。先行きについても、全体として慎重な見方となっている。」から2012年4月には「大企業製造業で下げ止まっており、全体としては小幅改善となっている。」へと上方修正されている。消費者物価は、2012年2月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の前年同月比伸び率が5ヶ月ぶりにプラスに転じたことなどを受けて、2012年3月の「緩やかに下落している。」から2012年4月には「このところ横ばいとなっている。」へと文言を修正し、物価に下げ止まり感が出てきたことを指摘している。
 海外経済の現状については、2012年4月も前月と同様、「世界の景気は、全体として弱い回復となっている。」とし、判断は据え置いている。先行きについても、前月と同様、「弱い回復が続くと見込まれる。」とし、判断を据え置いている。海外経済の先行きに対するリスク要因についても、2012年3月の「原油価格の上昇」から2012年4月には「原油高の影響」へと一部文言が修正されてはいるものの、ほぼ前月の判断を踏襲している。
 地域別にみると、アメリカに関して、2012年4月も前月同様、「景気は緩やかに回復している。先行きについては、緩やかな回復が続くと見込まれる。」とし、判断を据え置いている。景気の下押しリスクをもたらす要因についても、前月同様、「ただし、高い失業率の継続や住宅価格の下落等により、景気が下振れするリスクがある。また、財政緊縮の影響に留意する必要がある。」とし、前月の判断を踏襲している。中国に関しては、2012年4月も前月同様、「景気は内需を中心に拡大しているが、拡大テンポがやや緩やかになっている。先行きについては、拡大傾向が続くと見込まれる。」とし、判断は据え置きとなっている。景気の下押しリスクをもたらす要因についても、前月同様、「ただし、不動産価格、物価や輸出の動向に留意する必要がある。」としている。インドに関しては、2012年4月も前月同様、「景気の拡大テンポは鈍化している。先行きについては、拡大テンポの鈍化が続くと見込まれる。」とし、判断は据え置きとなっている。景気の下押しリスクをもたらす要因についても、前月同様、「また、物価上昇によるリスクに留意する必要がある。」としている。その他アジア地域に関しては、景気の現状について、2012年3月の「景気はこのところ足踏み状態となっている。」から2012年4月には「景気は一部に持ち直しの動きもみられるが、足踏み状態となっている。」へと文言が修正され、2011年3月以来13ヶ月ぶりに判断は上方修正された。景気の先行きについては、前月同様、「当面、足踏み状態が続くと見込まれる。」とし、判断は据え置きとなっている。景気の下押しリスクをもたらす要因についても、前月同様、「また、輸出の動向に留意する必要がある。」としている。ヨーロッパ地域に関しては、現状について、2012年4月も前月同様、「景気は足踏み状態にあり、一部に弱い動きもみられる。」とし、判断を据え置いている。先行きについても、前月同様、「当面、弱めの動きになるものと見込まれる。」とし、判断は据え置きとした。景気の下押しリスクをもたらす要因については、2012年3月にあった「第二次ギリシャ支援の進展がみられるものの」という文言は削除され、「一部の国々における財政の先行き不安を背景とした金融面への影響により、景気が低迷するリスクがある。さらに、各国の財政緊縮による影響や、高い失業率が継続すること等に留意する必要がある。」としている。
 2012年4月の報告内容を見ると、個別項目で景気の回復を示唆する動きに光をあてつつも、景気全般についての判断を変更するには現時点ではなお力不足とし、前月同様、景気の現状と先行きに対し慎重な姿勢を崩してはいない。物価に関する総合判断としてデフレという表現は残してはいるが、個別項目での基調判断として物価の下げ止まり感を打ち出している点はここ最近では珍しい。これまでのデフレを前提にした経済政策論議も節目を迎えそうな気配をうかがわせ、今後の景気動向を見極める材料としてもきわめて興味深い。

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