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ネット経済下のブランド・ブリード・システム
山本一作枝
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 90年代の消費は、それ以前と様相を異にしている。可処分所得に占める消費支出の割合である平均消費性向が低下し続け、消費と所得の間の乖離が拡大している。所得の増減だけでは90年代消費の動向を説明することはできない。我々が消費動向を左右する要因として推定しているのは、価値意識の変化と、消費の主体である家族と個人の生き方の変容である。はじめに消費の動向を確認した上で、弊社で継続している生活研究を踏まえて90年代消費を分析し、ヒット商品の理由からアプローチのヒントを探る。

1.市場の多縁化
 市場は、収入格差の拡大と価値観の世代格差によって多様化している。一方で、特定ユーザー間の同質化は高まっている。ガングロやヤマンバの友達はやはりガングロやヤマンバであり、違うスタイルの友人と連れ立っているところを見ることはない。エゴイストにいる客は皆、店員と同じような格好をしており、違うスタイルで店の中に入るには相当の勇気が必要である。
 この特定ユーザー間の同質化を強めているのが情報技術(IT)革新を核としたネット化である。情報は、携帯電話やインターネットを通じ、物理的な距離とは無関係に、瞬時に、臨場感をもって、あるグループの中を駆け巡る。ネットワークは、地縁、血縁から組織(会社・学校)縁を経て「知縁」で形成されるようになっている。ネット化がそれを促進し、そのスピードを速めている。多様性とスピードを特徴とする市場の多縁化が進行している。
 このような市場で新しいブランドを育成することは非常に難しい。多縁化によりひとつひとつの市場が小粒になっている上、ネット化による情報のスピードは速く、ブランドはすぐにその浸透を終えてしまうからである。さらに、流通による死に筋カットとそのスピードがブランドのライフサイクルを速めることに拍車をかけている。数々のブランドが生まれ、数々のブランドが死んでいる。
 新しい市場での新しい成功の原則を踏まえたブランド育成の仕組みが要請されている。


本稿は、当社代表・松田久一による助言・指導をもとに、山本が代表執筆しております。本稿の内容は、松田からのアイデア・構想に大きく負っております。ここに謝意を表します。あり得べき誤りは筆者の責に帰します。

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